その点数の根拠は? グルメサイトに不満、利用者からも
様々な飲食店を検索できることで利用者を伸ばしてきた「食べログ」や「ぐるなび」などのグルメサイト。店舗側はサイトを通じた集客を増やすために評価点を上げることを目指すが、サイトによる点数の付け方への不満が噴出。利用者の間では、インスタグラムなどのSNSや、グーグルを使った検索をより重視する動きも出ている。
グルメサイトを巡り、公正取引委員会が18日公表した実態調査では、サイトに加盟する飲食店の約3割が表示順位に不満や疑問を感じていた。サイトの多くは店舗から手数料を徴収し、高額な手数料を支払う契約であれば上位に表示される。公取委の調査では、上位に表示されるために高額なプランに変更せざるを得ないという声も出ていた。
グルメサイトを巡っては点数や表示方法の不透明さについて、店舗からだけでなく、利用者からも不満の声が出始めている。
都内に住む20代の女性会社員は、飲食店を探す際、グルメサイトではなくインスタグラムで検索することが多くなったという。「写真で見られるので、雰囲気がわかりやすい。(グルメサイトの)『食べログ』は文章が多くて見づらい」と話す。
20代の男性会社員は普段、グーグルマップ上で飲食店などを検索し、気になった店はマップ上に目印をつけている。「出先で行きたい店を思い出すのに便利」と話す。
飲食店予約サービス「テーブルチェック」が昨年11~12月にネット上で1千人強に行った調査では、グルメサイトの点数やランキング表示を「あまり信頼していない」「まったく信頼していない」と回答した人は合わせて26%。「信頼するがあくまでも情報源のひとつ」とした人は56%だった。
サイトの利用頻度については「利用頻度が減った」「まったく利用しなくなった」「もともと利用していない」があわせて27%だった。
飲食店を探す際の手段として何を使うかは(複数回答)、グルメサイトが79%と最多で、なおその影響力は大きい。グーグル検索が48%、さらにグーグルマップなどの地図に特化したサービスが30%、インスタグラムなどのSNSが24%で続く。
インスタグラムでの発信や、グーグルでの店舗登録は基本的には無料のため、使う店舗が増えている。グルメサイトにとっては競合となり、業績にも影響しつつある。
食べログの無料も含めた月間利用者数は2019年3月時点で1億1917万人にのぼるが、コアユーザーである有料会員は減っている。17年3月には175万人だった有料会員数は、19年3月には100万人と4割減少している。
ぐるなびの19年3月期の売上高は前期比9・7%減の327億円。飲食店がぐるなびに対して支払う販促費用が売上高の9割を占めるが、競合の広がりなどで減少した。ぐるなびは18年10月からインスタグラム経由で予約を受け付けるサービスを開始。楽天とも連携して、巻き返しを図っている。